2009.11.27 Friday
JALへの公的支援 「誰が損をし、得をするのか」 by 小宮一慶の「スイスイわかる経済!“数字力”トレーニング」
小宮一慶の「スイスイわかる経済!“数字力”トレーニング」
JALへの公的支援
誰が損をし、得をするのか
(ほんの一部、抜粋。原文は長いです。)
現状の収益力の点から見ると、この状態をうまく切り盛りして切り抜けられるということは難しいでしょう。そのために民事再生手続きや会社更生手続きという法律制度があるのですから、なぜそれを使わないのか、疑問に思います。不思議だと思いませんか?これだけ重い負債の大部分を削減することができるので、JALの再生には最適なはずです。
逆に、政府は融資を公的保証しますと言っているわけです。公的保証をするとどんなメリットがあるのかというと、銀行の貸し倒れリスクがなくなるのです。そこで、自己資本比率の規制の問題が出てきます。
(中略)
ちなみに日本の銀行は、この「中核自己資本」が弱いのです。ですから、自己資本比率を上げられた上に、「中核自己資本」の質を高めるように規制を強化されてしまうと、規定の率に届かなくなってしまうのです。そこで、JALの法的整理があって1千億円規模の損失が出るとこれはファイナンス力が弱い銀行にとっては大変なことになるわけです。JALに資金を貸している銀行が千億円という損失を被ってしまったら、その部分はまた資本の増強をしなければならなくなるからです。
それを国が公的に債務保証をするということになったら、銀行の資本規制上、銀行にとってすごく有利に働くということです。
JALの公的支援について、私は、そのことが非常に関係しているのではないかと思っています。
(中略)
今後、JALが私的整理をする可能性もありますが、そこで銀行がどれだけ負担をするのか。それを注意して見る必要があります。
もちろん日本の銀行がボロボロになって、また金融不安が起こるというのはよくないことではありますが、銀行側にもJALに資金を貸した責任はあります。金利も取っています。
また、株主の責任を問わないのもおかしな話です。さらに言わせていただくと、JALの問題は政策投資銀行の審査能力の問題にも関わってきますから、こちらにも責任があります。
そういうことが、このままではあやふやになってしまうのです。
JALが立ち直ればいい問題かもしれませんが、先程も申し上げたように、厳しい経済環境の中で、問題が先送りされるだけになる可能性もあります。
すると、国民の負担をさらに大きくした上に、どこかで破綻してしまうということもあり得るわけですから、ここで一旦、民事再生手続きや会社更生手続きなどの法的整理をしたほうが、すっきりしていいのではないでしょうか。
それでもやらないということであれば、裏があると思った方がいいでしょう。
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いろいろ考えるための資料
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